アフターコロナのもうひとつの住まい方

　家族・親族、地域、職場、学校、サークル、友人・知人など、多様なコミュニティのネットワークのなかで、私たちの暮らしは成り立っている。現下の新型コロナ感染の蔓延は、コミュニティに不可欠な互いの交流を抑制し、共に暮らしを支え合う基盤をも崩しつつある。
　私たちがこの間、提唱してきたもうひとつの住まい方は、社会の変化に応じた新たな住まい方を追求するとともに、市民が住まいを通してコミュニティの形成に参加することを目指してきた。
　こうした私たちの15年間にわたる活動の集大成として発行する「１００の事例集」を素材にして、人々の暮らしを直撃したコロナの猛威に、住まい・集まって暮らすことで、しなやかに対応し助け合うコミュニティの再生につながるアフターコロナの住まい方を展望したい。