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つくば方式住宅

概要

自由設計しやすく、かつ長持ちする良質な集合住宅を、定期借地権を用いて安価に提供する方式である。建物構造は、スケルトン・インフィル(SI)方式と呼ばれ、長持ちする柱や梁(スケルトン)と、居住者の要求に応じて変えられる間取り内装(インフィル)を明確に分離している。このため、水回りの位置を比較的自由に配置でき、また将来の改造も容易になるという利点がある。いわゆる百年住宅を具体化した建物といえる。このような長持ちする建物と定期借地権を両立させるために、一定期間後(30~50年で最初に定める)に、建物を入居者から地主に譲渡できる仕組みを工夫した点が特徴である。

これまでの流れ、実績

建設省建築研究所が開発し、1996年につくば市で第1号が完成した。このため、つくば方式と呼ばれる。これまで13棟が完成し、約150戸が供給されている。コーポラティブ方式が大部分で、建売りは1例のみである。

入居者または住人の特徴

大半は普通の核家族である。その中に、自由設計できる良さを生かして、車椅子利用者や音楽家の住人もみられる。また、土地が定期借地権であるため、建物を子どもに相続させようとする意識は低く、所有にこだわらない人々が中心となっている。戸数は小規模で5戸から20戸程度。

立地の特徴

地価が高い立地であると価格が割安になり成立しやすい。首都圏、関西圏などの大都市圏が中心である。

建設の目的やテーマ

地主の賛同がないと実現しないことから、地主側の土地活用が最初の目的となる。特に、地主が緑地を保存しようとする要望をもつ場合は、その目的に賛同する人々を集めつつ住宅価格を安くできるため、スケルトン定借が適している。環境共生住宅、古い建物の再生例が登場し注目されている。

建物の特徴

大部分が1棟共同住宅である。今後は、連棟住宅の形も登場予定である。

所有や権利の特徴

大部分が1棟共同住宅である。今後は、連棟住宅の形も登場予定である。

事業者または企画者の特徴

企画者(コーディネーター)は民間の小組織(コンサルタントや建築事務所など)が多い。定期借地権を応用した契約と、SI住宅による自由設計の両方の知識が必要になるため、設計者とコーディネータが分業することが望ましい。

リンク先

http://www.skeleton.gr.jp/
左:小石川アパートメントハウス
右:メソードつくばI(つくば方式1号)