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コミューン型集住

概要

1960年代にヨーロッパではイデオロギー的な共同体づくりが多く行われた。田園部の共同体は農的活動を中心として運営され、都市部では大きな住宅を共有(シェア)し、仕事の収入を持ち寄って運営した。その特徴は、収入や不動産や車などを共有して、育児や食事も共同化し、ひとつの大きな家族のような共同体として暮らすところにある。その後イデオロギー的な共同体が下火になるとイデオロギー抜きの生活共同体が多くつくられるようになった。コレクティブハウスもその中から生まれてきたひとつの形と考えることができる。最近の事例は多くはないがこのようなイデオロギー抜きの生活共同体を「コミューン型集住」と呼ぶことにする。すべてを共有し共同化する事例もあるが、収入、土地、住宅、車などは個別の場合もあり事例によってそれぞれ特徴があるようだ。

日本での実績

日本ではほとんど事例がない。強いてあげれば武者小路実篤が主宰した「新しき村」や「山岸会」の活動は近いかもしれない。 最近の事例としては静岡県富士宮市で約50名が暮らす農的共同体「木の花ファミリー」をあげることができる。ここは1994年にスタートしているが無農薬有機栽培農業を中心として収入、子育て、食事などを共同化している。土地は借地、建物は何人かの共有または個人所有である。特徴的なのはここが開かれた共同体であることである。毎年多くの見学者や体験宿泊者が訪れ、移住者も増えつつある。都市生活に疲れ、心の病を抱えた人たちのための「自然療法プログラム」なども実施している。エコヴィレッジの項でも取り上げたがコミューン型集住の代表例ともいえる。

リンク先

・木の花ファミリー http://www.konohana-family.org/